Pスコアの計算方法

総合評定値(Pスコア)は、経営事項審査の最終的な評価結果です。入札参加資格の格付けに直接使用されるため、Pスコアを正確に理解することが経審対策の第一歩です。

計算式

P = 0.25×X₁ + 0.15×X₂ + 0.20×Y + 0.25×Z + 0.15×W

5つの評点をウェイト付きで合計した値がPスコアです。各評点の範囲はおおむね0〜2,500点です。

X₁:完成工事高評点

完成工事高評点は、過去2年または3年の完成工事高の平均をもとに算出します。

  • 2年平均と3年平均のいずれか有利な方を選択できる
  • 建設業の業種ごとに算出(29業種それぞれ個別に計算)
  • 許可業種の完成工事高が多いほど評点が高くなる

改善のポイント

元請工事の受注を増やすことが最も効果的です。下請工事も計上できますが、発注者別・業種別に正確に記録しておくことが重要です。

X₂:自己資本額・利払前税引前償却前利益評点

財務の規模と収益力を評価する指標です。

  • 自己資本額:純資産(資本金+剰余金)の額
  • 利払前税引前償却前利益(EBITDA):2年平均

2つの指標をそれぞれ点数化し、合算して評点を算出します。

改善のポイント

  • 内部留保の積み増し(役員報酬を適正化し利益を残す)
  • 欠損金の解消
  • 設備投資による減価償却費の確保(EBITDAを高める)

Y:経営状況評点

経営状況分析機関が財務諸表から算出する評点です。以下の8つの財務指標をもとに計算されます。

指標説明
純支払利息比率支払利息が売上高に占める割合(低いほど良い)
負債回転期間売上高に対する負債の規模(短いほど良い)
総資本売上総利益率資産効率と収益性(高いほど良い)
売上高経常利益率経常的な収益力(高いほど良い)
自己資本対固定資産比率財務安定性(高いほど良い)
自己資本比率総資産に対する自己資本の割合(高いほど良い)
営業キャッシュフロー本業での現金創出力(プラスが望ましい)
利益剰余金累積利益の額(多いほど良い)

Y評点の範囲は0〜1,595点です。

改善のポイント

  • 不要な借入金の早期返済(純支払利息比率・負債回転期間の改善)
  • 収益性の向上(売上高経常利益率の改善)
  • 自己資本の充実(自己資本比率・自己資本対固定資産比率の改善)

Z:技術力評点

技術職員数と元請完成工事高から算出される評点です。有資格者の数が特に重要です。

技術職員の対象

  • 1級施工管理技士(建築・土木・電気・管工事など各種)
  • 2級施工管理技士
  • 技術士
  • 一級建築士・二級建築士
  • その他国家資格保有者

1級資格者は2級資格者よりも高い点数が与えられます。また、監理技術者資格者証を保有している場合は加点されます。

改善のポイント

  • 従業員の資格取得支援(受験費用・テキスト代の補助)
  • 中途採用による有資格者の確保
  • CPD(継続能力開発)認定による加点

W:社会性等評点

法令遵守・社会貢献・労働環境整備などを評価する指標です。

主な評価項目

項目内容
労働福祉の状況雇用保険・健康保険・厚生年金の加入
建設業の営業継続の状況許可の継続年数
防災協定の締結地方公共団体との協定
法令遵守の状況建設業法・労働安全衛生法等の遵守
建設機械の保有状況ショベル系・ブルドーザー等の保有
ISO認証取得ISO9001・ISO14001
若年技術者・技能労働者の育成35歳未満の技術者・技能者の在籍

改善のポイント

  • 社会保険の完全加入(未加入は大きなマイナス)
  • 若手技術者・技能者の採用(育成加点)
  • 防災協定の締結(地元の地方公共団体と交渉)
  • 建設機械の購入・リース登録

Pスコアシミュレーター

5つの評点の数値がわかれば、すぐにPスコアを計算できます。

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まとめ

  • Pスコアは5つの評点(X₁, X₂, Y, Z, W)のウェイト付き合計
  • X₁とZのウェイトが各25%と最も大きい
  • Y評点の範囲は0〜1,595点
  • 各評点の改善には中長期的な取り組みが必要

免責事項 本記事は参考情報の提供を目的としており、行政的・法的助言ではありません。 実際の審査結果については、申請先の行政機関または行政書士等の専門家にご確認ください。