2026年7月施行の経審改正:建設技能者自主宣言制度で経営評点を上げる戦略
経営事項審査(経審)が2026年7月1日に改正されます。中でも注目すべきは、新設される「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度」。3月決算企業は対応を急ぐ必要があります。
改正のポイント:自主宣言制度でW点+5点加点
最大の変更点は、W点に+5点の加点が得られる自主宣言制度です。条件は「決算日までに自主宣言を完了すること」。つまり、3月決算の企業であれば2026年3月31日が期限です。
この加点は、建設技能者の処遇改善と担い手確保を目的とした新制度。一定の労務環境改善要件を宣言することで、経審の総合評点Pを引き上げることができます。
注意:CCUS配点の見直しで5点のマイナス
メリットだけではありません。同時にCCUS関連の加点が引き下げられます:
- 従来:民間工事全実施時15点、公共工事全実施時10点
- 改正後:民間工事全実施時10点、公共工事全実施時5点
つまり、何も追加対応をしなければ5点の減点になる可能性があります。自主宣言の+5点と相殺すれば問題ありませんが、実質的にはより積極的な対応が必須になったということです。
2026年3月決算企業が取るべきアクション
3月決算企業は時間がありません。以下の順序で対応しましょう:
- 決算日内に自主宣言を完了:国土交通省ポータルサイトでの申請は3月31日までに
- CCUS就業履歴蓄積の実績確認:配点見直し後の評価水準を把握
- その他の経審評点改善策を検討:技術職員(Z1)や経営状況分析(Y)の改善
災害対応力強化:建設機械の加点対象が拡大
改正では、災害対応力強化の観点から加点対象となる建設機械に2機種が追加されます。能登半島地震での応急復旧工事での活用実績を踏まえた変更で、防災・減災に取り組む企業にとっては追加加点の機会が生まれました。
経審改正と経営戦略
Pスコア = 0.25×X₁ + 0.15×X₂ + 0.20×Y + 0.25×Z + 0.15×Wの計算式において、W点の改正は全体の15%のウエイト。+5点の加点は無視できない影響です。
同時に、建設業法改正による工期ダンピング禁止や低労務費禁止など、業界全体が「適正な労働環境」へシフトしている中での改正です。経審改正に対応することは、単なる点数対策ではなく、持続可能な経営体質への転換を迫るものでもあります。
免責事項
本記事の内容は参考情報です。経営事項審査に関する具体的な手続き、判断、申請方法については、国土交通省の公式資料および所管の行政機関(都道府県建設業課等)に必ずご確認ください。2026年7月の施行日や詳細な基準については、今後変更される可能性もあります。